バカンス / Vacances

 

バカンスが終わり、新学期の時期となりました。生徒の皆さんはすっかり日に焼けて楽しい夏休みを過ごされた様です。

また子供達の笑顔に会える事は嬉しい限りです!

私は夏休み中はニースの音楽講習会へ参加し、その後はルツェルン音楽祭を聴きにスイスへ行きました。

ヨーロッパに住んで居て有難いなと思う事は、一生勉強出来る環境にあると言う事です。

素晴らしいコンサートに行けたり、ヨーロッパ中の有名な音楽祭や偉大な作曲家の家を訪れたり、日本に居たら中々習えない教授のレッスンを講習会などで、気合いさえあれば受けられると言うのは音楽を志す人々にとっては最高の環境だと思います。

 

ニースの講習会では一生の宝物の様な、素晴らしい経験が出来ました。先生方のお人柄の良さ、音楽を愛する気持ちが伝わり今まで気付かなかった着眼点から音楽を分析し、新たな視点を持つ事が出来ました。

それから講習会へ参加した他の生徒さんのレベルの高さに驚愕しました。もう16歳くらいからヨーロッパへ留学し、16歳でシューマンのコンチェルトやショパンのソナタをとても情緒豊かに演奏し、小さい時からソリストになる事を意識して居るに違いない。そんな印象でした。

ですが意識したからと言ってピアニストになれる訳ではなく、相当な精神力で努力して来た事は演奏から感じられました。そして聴いて居るだけで涙が溢れて来ました。

 

講習会はみっちり1週間レッスンがありまして、ニースの暑い気候と学校までの坂道を往復し、練習してレッスンを受けて聴講して、と緊張感の毎日に最後は皆疲労困憊です。

そんな中からもきちんと結果を出し、最後の演奏会まで終えると言うのは並大抵の事では無いと感じます。講習会へ参加して居た未来のソリスト達に非常に刺激を受けました。

 

ルツェルン音楽祭は華やかで、街は湖に囲まれ居て美しかったです。モーツァルトの協奏曲 9番”ジュノーム”はもう聴くのは3回目ですが音楽祭の雰囲気の力もあり、今までで一番輝いて居ました。

息子には申し訳無かったですが、新たな目標や夢が出来て、希望に溢れた夏休みでした。