夏時間に変わり、日が延びてきましたね。 夏が待ち遠しく、太陽の光が嬉しいこの頃です。
先日、ワーグナーのオペラを見にオペラバスティーユへ行きました。
演奏時間は4時間半、休憩を入れると6時間のオペラでした。明るい時間にオペラバスティーユに着いても、帰りは23時半になってしまいました。 ニュルンベルクのマイスタージンガーは、冒頭の前奏曲が特に有名です。祝祭的なイメージから、入学式や卒業式で演奏される事も多いです。
ワーグナーのオペラは神話や伝説を題材とする作品が多い中で、マイスタージンガーは芸術や人間の素晴らしさを高らかに歌い上げた唯一の喜劇です。舞台は16世紀のドイツの都市ニュルンベルク、実在の人物ハンス・ザックスを中心に描かれています。
マイスタージンガーは、職匠歌人や親方歌人と訳します。中世ドイツでは商工業が発達していて、あらゆる分野で組合が組織されていきました。そして、手工業の親方が詩や歌の腕を競うという文化が生まれました。その為登場人物は靴屋の親方や書記官、金細工師だったりします。
多くの市民が登場し、明るく活力に溢れた人間ドラマがあり、親しみやすい魅力を持った作品です。そして、音楽がとても素敵です。思わず歌いたくなるようなメロディーが随所に登場します。
初めて全部を通して聴きましたが、冒頭の前奏曲のモチーフが劇中に何度も現れます。全体を通すと、前奏曲は4時間の映画の予告編の様な役割をしているなと感じました。
いつも耳にしていた前奏曲が、こんなに巨大な楽劇の全体の予告編だったんだと思うと感慨深いものがありました。
なかなか日本でワーグナーを聴く機会はありませんので、今後も積極的にオペラバスティーユへ足を運びたいものです。